カウンセリングのすゝめ
私がカウンセリングを真剣に考え始めたのは、社会人になって数年たった後、かなり大きめの仕事を任されるようになり、日々終電またはタクシーで帰るような生活を送っていた時でした。
入社当時の自分からは考えられない程消耗し、毎日会社に行くのが苦痛で仕方なくなってしまいました。嫌々仕事をしているので、能率も上がらず、かなり悪循環に陥ってしまっていました。
MBA受験も考えていたタイミングなので、このような精神状態では受験をこなすことは難しいだろうと思い、なんとかこの状態を改善する方法はないか、と日々探していました。
あるとき、海外留学を通じてリーダシップのある若者を育てるIGSや、All AboutのMBA関連記事で知られる福原正大さんのお話を伺う機会があり、そこでNLP(神経言語プログラミング)というメンタルトレーニングのメソッドがあることを知りました。
Wikipediaで調べたところ、有名なスポーツ選手やオバマ大統領など高いプレッシャーの中で成果を出さなければならない人が採用しているメソッドということがわかりました。
早速どこかでトレーニングできる教室はないか探してみたのですが、どれもこれも胡散臭い(笑)。昔漫画雑誌の後ろの広告にあったような、身長が伸びる系の広告に似た雰囲気がプンプンしています。案の定、受講料を見ると、二日間のレッスンで5万円以上飛ぶものや、認定資格を取ろうとすると100万円以上かかる等、なんともまぁ金を吸い取ってやろうという姿勢が見え見えなわけです。
こういう環境で受講しても、あんまり信じられないだろうし、万が一宗教みたいな団体だったら嫌だなぁという気持ちもあるし、合わなかったときの被害額も大きいしで取止めることにしました。
引き続き、どこか自分にちょうどいいところはないかと探していたところに、NLPを利用するうつ、またはうつ状態になっている人向けのカウンセラーを見つけました。正直、カウンセラーという存在については、あまり確りした資格の職業という認識はなく、医者等に比べると劣るのではという認識もありましたが、値段も数千円の範囲で収まるので、失敗してもいいやという気持ちでカウンセラーに相談することにしました。
結果としては大当たり。運もよかったのだと思いますが、カウンセリングを受けていくにつれ、業務や日常生活の中で頭を悩ませている様々な事象について「解釈の方法」を学ぶことができ、いちいち落ち込んでいた事象に対する耐性が少しずつついてくるようになりました。
カウンセリングの内容についてですが、私の場合の場合の流れは以下のような流れでサービスは進んでいきました。
- まず、自分の特質や行動パターン、行っている業務の内容や悩みについて概略をカウンセラーに理解してもらう。(数回)これで、カウンセラーの中で、クライアントの悩みがどのようなものに起因するのか、大まかな分類がされます。
- 次に、日々の出来事とその出来事に対して感じたこと、考えたことを所定のフォーマットに記入し、報告します。
- いくつか代表的な事例が集まった段階で、「あなたはこういう事象に対してこういうことを考えがち。でも、この出来事はこんな感じの背景があったかもしれないよ。」といったように認知の歪み(事象に対する自分の思い込み)を修正してもらいます。
このような訓練を続けることで、一つの出来事に対する色んな視点を持つことができ、以前のように極端に落ち込むことが少なくなってきたように感じています。一見、今までの自分であれば良くない事象に思えることが、いやまてよ、こういう側面があるかもしれないな、と気分を害する前に無害にすることができるようなイメージでしょうか。
まとめ
(NLPの専門知識を持つカウンセラーの)カウンセリングを受けることのメリット
- 自分を苦しめている自分自身の考え方の癖を見つけ、改善することができる
○○という事象が起きてしまったら自分はお終いだ!といった極端な考えをじんわりと矯正してくれます。 - 自分が知らない思考パターンを身に着けることで、様々な事象に対して以前よりは強い心で望めるようになる。
スーパーマンのような精神の強さを得るのは難しいと思いますが、「こんな事象が起こったが、これはこういうことが背景にあるのかもしれない、だから単純に全くダメではない。」といったように、自分のマイナス感情に抵抗する力が少しずつついてきます。
- サービス提供者と顧客という立場はありますが、社内の人間や家族以外の、第三者の視点からアドバイスをもらえる先が増える。
社内の競争が厳しい会社では、社内の人間に自分の弱みをさらすことは自殺行為になり得ますし、仕事上の不安を家族に相談しても、家族が不安になるだけで、あまり相談相手にはならなかったりします。適切なカウンセラーのサービスを受けることができれば、この観点でも随分助けになります。
最後に、一発目のカウンセラーが当たりだった私が伝えられることは少ないのですが、私なりに何故よいカウンセラーを見つけることができたか、いくつかポイントを記載します。
- 国家資格等、信頼できる経歴を持っていること。
どれだけカウンセラーの言うことを信じることができるか、というのがカウンセリングの肝だと思います。なので、信じられる材料は多ければ多い程よいです。権威主義はあまり好きではないですが、経歴や実績はあるに越したことはないです。 - 自分とバックグラウンドが似ていること。
カウンセラーの方は、過去に自分自身が心の問題で苦しみ、克服した方が多いです。自分と経歴や志向が似ていると思われる人程、効果的なアドバイスをいただけると思います。会社員の方がカウンセリングを受ける場合には、普通の会社での会社生活を経験されている方、主婦の方は専業主婦経験を積んでいる方等です。うつの患者さんのブログなどで、「医者にいっても薬を処方されるだけで治療を受けている気がしない」といったコメントをよく見ますが、医者側も患者さんの置かれている背景や状況について土地勘がなく、気の利いたことを言えないのだと思います。 - 料金の設定や条件が明確なこと
契約に関するトラブルを抱えてしまっては、精神の問題を解決するどころの話ではなくなってしまいます。