習慣化のために大切なこと
受験等で必要な要素の一つに
「勉強する習慣」
があります。
人に強制されなくても、自発的に作業や勉強をすることができる力のことです。
これがなくて困っている学生さんや、社会人の方は意外と多いのではないでしょうか。
私自身もこの問題に非常に悩まされていました。
学生時代、テストの良くない結果が返ってきて、絶対次は毎日定期的に勉強していい成果をあげるぞ!と意気込んでもよくて2日くらいしか続かず、結局試験前日に徹夜で詰め込み、みたいなことを良くやっていました。
この自分のやる気のなさというかだらしなさにはほとほと呆れてました。
あるとき、これではまずいと思い、信頼していた塾の先生に相談したところ、意外な答えが返ってきました。
「まず毎日1分掃除をしなさい。自分だけでやるのは辛いだろうから、前の週できたかどうか私に報告すること。」
勉強することによる将来への可能性、自分への叱咤激励みたいなものを期待していた私はちょっと拍子抜けしてしまいました。ですが、信頼していた先生なので、とりあえず意見に従うことにしました。
1分って簡単すぎないか、と思っていましたが、意外に難しく、意識していないとすぐに忘れます。そして面倒くさいです。加えて、1分だけででどれだけのことができるんだ、とも思っていました。
仕方ないので、今日は机のこの部分だけ拭く、明日はその隣を拭く、といったことで少々ごまかしながらでも続けることにしました。
先生の言うことを聞き始めて約2か月。自分が定期的に机の前に座る時間が少しずつ増えていることに気が付きました。
今思うと、先生の指示にはこんな意味があったのかなと思います。
①誘惑に耐える経験を毎日する
たった1分のことですが、元々自分が興味なかったことを毎日続けるのはそんなに簡単なことではありません。意識して、ときには我慢して継続していく必要があります。
脳はこの掃除をしているとき以下のようなプロセスを経験します。
正直やりたくない
けど約束したからやらなきゃ
やった
という経験です。
この刺激への慣れが、やりたくないけれど、自分のためにやらなきゃ、という行動への慣れを呼んだのではないかと思っています。
②日々の努力の大切さを経験する。身を以て理解する。
毎日の作業がたとえ微小なものであっても、積み上げればきちんと成果になるということを脳が理解したのではないかと思います。つまり、大きな課題を小さな作業に分解して実行する、という発想を持つことができるようになるということです。
思い出してみると、この習慣を始めて数か月たった後から、この教材は毎日2ページのペースでやってみよう。余裕があったら増やしてみよう、と計画的な発想が生まれるようになっていました。
受験をしている皆さん、受験生をお持ちの親御さん、1分掃除初めてみては如何でしょうか?