気分転換の効果とは

「趣味を持つことが大切」
「運動するとスカッとするよ」

 こういった言葉、よく聞くと思います。けれど私、全然信じることができませんでした。だって、そんなことをしたって今私を苦しめている心配事は消えないから。いっくら気分転換をしたって嫌なテストはやってくるし、やらなきゃいけない宿題は残ったままだし時間の無駄でしょ、と。

 ところが、私個人に限ったことかもしれませんが、社会人になって一つのことに気づいたのです。それは、

  • 心配レベルが実際の問題の複雑さとあまり関係がない

ということです。
 
 言い換えれば、「心配しすぎる」ことが多いということでもあります。自分が抱えている問題や課題について、不安になることはよくあることです。

 しかし、その不安の大きさが、その問題にきちんと適ったものなのでしょうか。

 ここで、今あなたの抱える課題の大きさが100あるとします。一見大きな課題に思えます。自分の中の不安も100目一杯です。しかし、課題を良く見てみるとこんなことがわかったりします。

  • あれ、20の部分は良く知っている人に教えてもらえばいいんじゃない?
  • あれ、10の部分は過去自分が乗り越えてきた課題じゃない?
  • あれ、そもそも10の部分は全くの運じゃない?
  • あれ、そもそもそもそも、この課題の50あると思ってた部分は幻だったんじゃない?

 そうこうするうち、最初100あると思っていた課題が10になっちゃいました。こんな感じのことって身の回りに結構ありませんか?自分の抱えている心配事や課題をなるべく正しい大きさに見積もること、これはちょうどよい精神のコンディションを保つ上でとっても大切なことです。

 では、どうすれば、心配事を計るための「心の物差し」をキープすることができるのでしょうか。そこで出てくるのが気分転換なのです。

 不安や心配で胸が一杯なとき、私達の頭の中では不安を呼ぶ「脳内物質」が暴れまわっています。こんなとき、人間は不安にとらわれて、正常に物事を図ることができなくなります。そこで、一旦作業を離れ、脳内物質のバランスを整えていく必要があるのです。

 そのときに大切になってくるのが「趣味」であったり「運動」であったりするわけです。(当然運動が趣味に含まれる人もいるでしょう)精神的な快楽や外部刺激によって脳内に蔓延した不安を呼ぶ物質を洗い流すイメージです。

 多分、こんな考えに辿り着いたのは、社会人生活が結構ハードな長距離走だからなんでしょう。学生生活は試験やら体育祭やらが終われば緊張から開放され、精神のバランスなんかにあまり気を使わなくても正常に戻ってしまいますからね。社会人だと、そもそもゴールがあるのかすらわからなかったりするし、緊張した状態で数ヶ月すごすことなんて珍しくないですから、意識してバランスをとらないと調子をくずしてしまいます。